【Research Report】生活者アンケートデータからみたZ世代やミレニアル世代の持続可能性に対する意識

サマリー

近年、企業経営者、政府、投資家などが、持続可能な社会に向けた企業行動を進める傾向にある。米国などの調査では、こうした企業行動に影響を及ぼす要因の一つに、現在20代の「Z世代」といわれる世代と、現在30代の「ミレニアル世代」といわれる世代の環境・社会問題に対する意識の高さを挙げている。本稿では、我が国において、いわゆるZ世代やミレニアル世代が、持続可能性や地球温暖化に対して他の世代と異なる意識を持つのかどうかを、2019年11月に行ったアンケート調査の結果を用いて検証を行った。
様々な商品・サービスにおける持続可能性のうち、「パーム油のサステナブル認証」「フェアトレード商品」「人工肉」については、全体平均では意識されていなかったが、Z世代の男性は、男性50代やZ世代の女性よりも意識的であった。また、ミレニアル世代についてもZ世代ほどではないが、同じような傾向が確認された。一方、「遺伝子組み換え食品」「エコバック」「輸入肉の抗生物質」については、全体平均では意識的であったが、Z世代の女性よりも50代の女性の方が意識的であることが確認された。したがって、Z世代やミレニアル世代があらゆる環境・社会問題に意識的であると必ずしも言えない。
次に、地球温暖化に対する意識調査では、地球温暖化が生じているという認識に多くの人が肯定的であった。また過半数以上は、地球温暖化が人間の活動によるものと考え、異常気象も地球温暖化の影響を受けていると考えている。Z世代やミレニアル世代が特徴的な点は特になく、Z世代の男性は、地球温暖化が起きていることや、異常気象の原因が地球温暖化であるという認識について相対的に否定的な見解を持つ人が多かった。むしろ日本においては、地球温暖化に関して50代が肯定的に捉えていた。

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