【Research Report】地方銀行の有価証券利回りの要因分析と個別行効果の分析

サマリー

超低金利政策が継続し、地方銀行にとって貸出や有価証券運用による収益の獲得が厳しい状況が続いている。貸出金利回りと有価証券利回りの関係では、20013月期以降は貸出金利回りが有価証券利回りを上回る状況が続いていたが、20183月期にこの関係が逆転し、有価証券運用の重要性が増している。

地方銀行の有価証券運用においては、20133月期以降、国債、地方債や社債(円貨債)の構成比率が低下し、株式やその他の証券(リスク資産)の構成比率が上昇している。そこで、本稿では、有価証券利回りに対する有価証券構成比率による影響(利回り)を推定した。分析の結果、円貨債の推定利回りは市場金利の低下の影響によって年々低下しているが、リスク資産の推定利回りは変動があるものの、ほぼ2%以上で推移していることが分かった。

また、実際の有価証券利回りと分析によって得られる理論利回りの差(個別行効果)について調べた。その結果、個別行効果は継続性がある(20173月期の符号と20183月期の符号が同じ銀行が多い)こと、利益指標等のいくつかの指標において個別行効果がプラスの銀行とマイナスの銀行の平均値に統計的に有意な差異があることが分かった。

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