投資工学研究所
カーボンニュートラル社会への移行では、企業には既存の技術や製品の陳腐化、社会の需要の変化に対応するために生じるコストの増加などのリスクがある一方、新たな事業や技術革新による収益性の向上などの機会もある。そのため、気候変動に関連する情報が、株式市場における企業の評価にも影響することが考えられる。気候変動関連の開示の拡充が進んでいるが、本稿では、企業のCO2排出量に焦点を絞り、株式のバリュエーション指標であるPBRとCO2排出量の関係について調査し、売上高当たりのCO2排出量の多い業種ほどPBRが低くなる傾向があり、個別企業においても同様の傾向があることを確認した。