【Short Review】核融合発電の実現に向けた最新の進展

サマリー

 CO2を排出しない次世代クリーンエネルギーとして、核融合発電 に対する世界各国からの期待が高まっている。米国のTAE Technologies、Helion Energyなどのスタートアップ企業の計画が進展し、核融合発電の実現が現実味を帯びてきた。
 我が国では、核融合発電の早期実現を目指した国家戦略として、2023年4月に「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」が制定され、同年6月には核融合を含む「統合イノベーション戦略2023」が閣議決定された。また、「統合イノベーション戦略2023」を踏まえて、核融合発電を一つの新しい産業として、確立・育成することを目的としたフュージョンエネルギー産業協議会が2024年3月29日に設立された。計21社が発起人として役員に就任する。最終的には50社以上が同協議会に参加する見込みであり、核融合発電の実現に向けて官民が一丸となって取り組んでいる。
 国際的には、2023年11月から12月にドバイで開催されたCOP28(国連気候変動枠組条約第28回締約国会議)において、ケリー米国大統領特使から、米国が核融合発電の早期実現を目指す旨の説明があった。COPにおいて、核融合発電について言及されたのは初めてのことである。
 本稿では、核融合発電の実現に向けた直近の技術開発などの進展について報告する。

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