社会システム研究所
地球規模の環境破壊が危惧される中で、企業の環境経営が必要とされている。それと同時に経営者は株主価値最大化を目指すことを至上命題とされており、生産性ひいては事業の効率化が重要視される。つまり、経営者にとって、環境保全に資金を投入することと株主価値最大化を目指すことがトレードオフになりうる。
本稿では企業は環境投資が企業の生産性にどのような影響を与えるかを検証した。その結果、環境投資全体では企業の生産性に影響を与えないことが明らかとなった。だがその一方でグリーン調達などの上・下流コストや環境上のモニタリング機能のある環境管理活動コストなどは生産を低下させている。これは企業がコストをかけて持続可能な経営を目指すがゆえに、生産性にマイナスの影響を与えていると推察される。