2009年アンケート調査から見た消費者の意識の変化

サマリー

日興フィナンシャル・インテリジェンスでは、2007年から毎年、消費者の行動に関する調査を行っている。本稿では、2007年から2009年のアンケート調査データを用いて、消費者の関心や購入時の意識、不祥事に対する行動について、それぞれの時系列変化や男女間での違いについて分析を行った。
消費者の関心に関するアンケート結果からは、金融危機後の2009年は、消費への関心が男女とも大きく低下していることが分かる。「エコカー制度」による「車・二輪車」への効果は確認されたが、「エコポイント制度」による「家電」などへの効果は弱く、関心は低下していた。
購入する際の消費者の意識に関するアンケート結果からは、女性は男性と比較して、「安いものを購入する」意識が低く、むしろブランド価値(企業名や商品名、その商品やCMのセンス)を意識する傾向にあることがわかる。一方、男性は「安いものを購入する」傾向があるが、その意識は前回のアンケート時と比べて低下し、わずかではあるが「安全性」に対する意識を強めていることが分かった。さらに、製造物責任に関する不祥事が起きたことを想定したときの行動について、女性は、「少なくともその商品だけは購入しない」行動をとる。一方、男性は「その類似品も購入しない行動(外部効果と呼ぶ)」と、「不祥事が起きても購入し続ける」行動の二極化が起きている。
最後に、過去実際に起きた不祥事に対する行動についてみてみると、食品に関わる不祥事は外部効果が強く、安全性が重視される食品産業全体への影響は大きかったと推察される。自動車や航空機の不祥事では、企業や商品のブランド力によって外部効果を弱める効果が確認された。また、過労死問題については、全体の4割以上が「少なくともその企業の商品を購入しない」行動をとっており、特に男性が敏感に反応している結果となった。

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