【Research Report】GRスコア対象企業109社の考察:財務関連及び非財務情報の開示状況

サマリー

コーポレートガバナンス・コードやICGNグローバル・ガバナンス原則では、企業の重要な取組みの一つとして、株主にとって有用な情報開示を掲げている。日興リサーチセンターが開発したGRスコアでも情報開示に関する評価項目を設定している。そこで、GRスコア対象企業109社について、両原則が要求する、財務関連の開示についての取組みと環境や社会などの非財務に関連した開示の取組みについて確認した。
財務関連については、収益計画や配当政策、収益や資本効率に関する目標値の設定などは、6割以上の企業で開示されていた。一方で、経営資源の配分や財務レバレッジなどの最適資本構成、資本コスト、M&AやR&Dなどの決定のアプローチといった、投資家にとって有用となる情報については開示率が低い。
他方、ESGなどの非財務情報は全体的に開示が進んでいる傾向にある。9割近い企業がTCFDや国際統合フレームワークなどの国際的なフレームワーク、GRIガイドラインやSASBといった開示基準などを参照している。人的資本と気候変動については、それぞれ78%、66%の企業が開示している。気候変動の開示が人的資本の開示に比べやや劣る原因として、業種による開示の偏りがあることや、TCFDの求める4つの開示項目(ガバナンス、戦略、リスク管理、指標・目標)のうち、戦略やリスク管理について十分な開示がなされていないことが挙げられる。

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