【Research Report】GRスコア対象企業109社の考察:政策保有株式の方針、取組み、財務的インパクト

サマリー

企業の株式持ち合いなど、政策保有株式への投資は、日本のコーポレートガバナンス・コードでは、経済合理性の観点から定期的な検証を求めており、国際的な機関投資家団体であるICGNでも機関投資家の声としてその影響などを評価することを求めている。本稿では、日興リサーチセンターが開発したGRスコア(ガバナンスリサーチ・スコア)2022の国内主要企業109社を対象に、政策保有株式に対する方針と実際の取り組み状況を確認した。
2021年12月末時点では、取締役会が定期的に資本コストなどの観点から経済合理的に検証している企業は61社と半数を超えている。
またGRスコア対象企業のうち、政策保有額はおよそ33兆円であり、その売却額は約2兆4,172億円、取得額は7,380億円となっており、全体では政策保有の売却が進んでいる。なかでも、銀行や保険などの金融機関は縮減を進めているが、他方で自動車・輸送機やエネルギー資源などのセクターは買入が売却を上回っている。
さらに、政策保有数が60銘柄以下のGRスコア対象企業67社に限定し、政策保有で得られる配当収入の、利益や資本への影響などを確認したところ、平均的に、政策保有投資は株主資本の5%程度を投資しているのに対し、その配当収入が経常利益の約1%、株主資本の約0.1%であることが確認された。

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