【Research Report】GRスコア2022の状況

サマリー

日興リサーチセンターでは、日本企業のコーポレートガバナンスの強さを評価するGRスコア(ガバナンスリサーチ・スコア)を開発し、2017年より毎年評価を行っている。GRスコアは、日本のコーポレートガバナンス・コード(以下、JCGC)を国内基準のベンチマークとし、ICGNグローバル・ガバナンス原則(以下、ICGP)をグローバル基準のベンチマークとして、企業のガバナンスの取り組みを評価している。GRスコア2022では、JCGCの改訂とICGPの改訂に合わせ評価基準を見直したうえで、上場企業109社について評価を行った。
国内基準の総合スコアの平均は54.9点と、昨年の平均値から1.1ポイント低下した。昨年との比較で平均点の上昇は見られなかったものの、企業間のスコア格差は縮小傾向にある。政策保有の縮減の方針やその結果についての開示の強化、コロナ禍で遅延した株主総会招集通知書の配布が改善されたことなどがプラスに寄与した。他方で、気候変動などの非財務情報開示や事業ポートフォリオに関する方針の開示不足、指名委員会での独立性や役割に関する開示不足がマイナスに寄与した。
一方、グローバル基準では平均が27.6点と、国内基準に比べると低いものの、昨年の平均値から0.2ポイント上昇し、緩やかながらスコア改善の傾向が見られた。改善の要因としては、贈収賄に関するポリシー、管理方法などを開示する企業や、従業員に限らず、取引先・その他ステークホルダーにまで利用範囲が及ぶ内部通報制度を設けている企業が増加したことなどが挙げられる。

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