【Short Review 】JR4社による株式持ち合い強化
- 2020年12月24日
社会システム研究所
- 髙橋 龍生
サマリー
時価総額上位の日本企業を対象にコーポレートガバナンスの取り組み状況を評価したGRスコア2020 の結果から、2019年3月期の有価証券報告書を開示した87社のうち53社が政策保有株式をネット削減していたことが分かった。2015年にコーポレートガバナンス・コードが導入されてから、日本企業では株式持ち合いを含む政策保有株式は減少傾向にある。
しかし、株主総会直後に、有価証券報告書からJR4社が株式持ち合いを強化していたことが明らかとなった。持ち合いが明らかとなった有価証券報告書の開示の前に開催されたJR九州の株主総会では、昨年に続いてアメリカのアクティビスト、ファーツリー・パートナーズから取締役の選任や定款変更の株主提案がされていた。株主提案は最大でも賛成率が32.6%で全て否決されたが、このタイミングでのJR4社の株式持ち合い強化は、株主提案に対応するためではないかと思わせるものだ。