【Research Report】私募株式投信のパフォーマンス分析

サマリー

 私募株式投信は純資産総額とファンド数の増加が続き、国内の投資信託の中で大きな存在となっている。しかし、私募という性格のため、私募株式投信のパフォーマンスや運用資産に関して公表される情報はほとんどない。そこで、本稿では私募株式投信の動向を把握する一助として、私募株式投信全体のリターンを推計し、パフォーマンスを確認した後、運用資産の構成比に関する分析を行った。
 私募株式投信全体の2019年の年次リターンは5.2%、分配リターンは0.8%と推計され、私募株式投信は公募株式投信と比較して全般に分配リターンが低く、リスクも低いという結果が得られた。
 運用資産の構成比に関する分析では、私募株式投信は公募株式投信と比較して債券の構成比が高く、趨勢として債券のウエイトが増加傾向にあるという結果が得られた。さらに、為替ヘッジをしない運用資産のウエイトが公募株式投信と比較して低いという結果も得られた。近年は、私募株式投信全体の動きを代表的な資産クラスの動きでは説明できなくなっており、超低金利環境が続く中で安定的な収益を追求するため、運用手法や投資対象の多様化が進んでいることが示唆される。

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