一般に、投資信託のリターンは分配金を考慮した基準価額の変化率(ファンドリターン)が使われる。しかし、投資信託の運用が好調で基準価額が上昇傾向にあっても、基準価額が高い時期に多くの資金が流入し、安い時期で流出していれば、投資家の平均的なリターンはファンドリターンを下回る。逆に、安い時期に多くの資金が流入し、高い時期に流出していれば、投資家の平均的なリターンはファンドリターンを上回る。このように運用期間中に繰り返し発生する投資信託への資金の流出入を考慮して算出するリターンを投資家リターンと呼ぶ。 どちらのリターンも正確に計算するためには個々の投資信託の日次データを用いる必要があるが、今回は投資信託全体のパフォーマンスを把握することを目的として、公募追加型株式投信(除くETF)(以下、公募株式投信)の純資産総額等が集計された月次データを用いてファンドリターンと投資家リターンを算出し、公募株式投信のパフォーマンスを確認した後、ファンドリターンと投資家リターンを比較する。 |