Modified Value at Riskを用いたポートフォリオ運用~ボラティリティからテールリスクの評価へ~

サマリー

資産運用の世界では、平均・分散モデルがアセットアロケーションの決定等に活用されて以来、資産のリターンは正規分布に従うという仮定を置き、資産やポートフォリオのリスク指標としてボラティリティが広く用いられてきた。しかし、多くの先行研究において、テールリスク(発生頻度(確率)は非常に小さいが、発生すると多大な損失をもたらすリスク)は、正規分布を仮定した場合よりも、実際には高い確率で発生していることが指摘されている。このテールリスクを評価する指標として、Value at Risk(以降VaRとする)が広く用いられている。しかし、一般的にVaRを推計する手法として、正規分布を仮定する分散共分散法が用いられている。そのため、例えばリターンの分布が負の歪度や正の相対尖度を持つ場合には、VaRを過小評価する恐れがある。
本稿では、上記の問題点に対処する方法として、VaRを分布の歪度と尖度を用いて調整したリスク指標であるModified Value at Risk(以降MVaRとする)を使い、分析を行った。具体的には、リスク指標としてMVaRを用いたポートフォリオを構築し、リスク指標としてボラティリティや分散共分散法によるVaRを用いたポートフォリオと比較して、どのような特徴を持つか検証を行った。
その結果、MVaRを用いて構築したポートフォリオは、ボラティリティや分散共分散法によるVaRを用いて構築したポートフォリオと比較し、ダウンサイドリスクが小さくなることが確認された。

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