【Research Report】長期資産形成に資する期待リターン(債券編)~ビルディング・ブロック法、インプライド法によるアプローチ~

サマリー

 わが国では、本格的な人生100年時代が到来しつつある中、資産寿命が生命寿命に届かないリスクが懸念されている。しかし、資産形成の状況をみると依然として預貯金等の割合が高く、十分な資金を確保できない可能性が指摘されている。このような中、中長期的な視点に立った資産形成の重要性の理解と実践が求められており、株式や債券などの投資資産への最適な資産配分が資産形成を行う上で鍵を握ると考えられている。
 投資資産への最適な資産配分の決定を行うには、一般的に個々の資産の期待される収益率(期待リターン)や想定されるリスクなどの情報を用いることが多い。本稿では、長期の資産形成に資する債券の期待リターンの推計を目的とし、ビルディング・ブロック法、インプライド法の2つの手法を用い、米国の国債を対象として期待リターンの推計を行った。また、ビルディング・ブロック法とインプライド法を用いた期待リターンのどちらが実績リターンへの当てはまりがよいかについて考察した。
 考察結果から、回帰係数、決定係数、相関係数のすべての指標においてインプライド法を用いた期待リターンはビルディング・ブロック法よりも当てはまりが良く、長期の資産形成に資する債券の期待リターンとしてインプライド法がより適していることが示唆された。

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