ボラティリティ投資とリスク~ボラティリティ・エクスポージャーのリスク低減効果について~

サマリー

2008年9月のリーマン・ブラザーズ破綻に始まり、世界的な金融危機へと発展したリーマンショックでは、世界の株式市場が大きな下落に見舞われ、株式のダウンサイドリスク抑制への関心はより一層高まった。株式のリスク抑制に関連する検証は以前から行われており、株価が上昇局面にある現在でもその傾向は変わらない。また、市場のリスクの大きさを測る参考指標として、投資家が予想する将来の株式ボラティリティを示すCBOE Volatility Index(以下、VIX)が広く利用されているが、リーマンショック以降は、VIXを指標として利用するだけでなく、エクスポージャーを取るための投資対象として注目が集まっている。Hill[2013]では、米国を対象とした分析を行い、VIXへのエクスポージャーが株式のリスクを低減させる手段として有力な候補の一つである事を示した。
そこで本稿では、日本株式の場合にもリスクを低減させる手段として、VIXへのエクスポージャーを取ることが有用であるかを検証した。まず、VIXの基本的な特徴を確認し、次に、バックテストを行ってリスク低減効果を検証した。また、日本版VIXである日経平均ボラティリティー・インデックス(以下、日経VI)についても同様の検証を行った。
その結果、VIX先物指数を5%程度保有するだけでも、日本株式のリスクの低減に効果があることが確認された。また、日本株式のリスク低減効果にはVIXよりも日経VIのエクスポージャーを取る方が、効果的である可能性が示唆された。
 

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