【Short Review】国内企業のインターナル・カーボンプライシング(ICP)導入と情報開示の動向調査

サマリー

企業の多くは、2050年にGHG排出量ネットゼロを目標に掲げて、脱炭素に向けた様々な取組みを行っている。こうした取組みのひとつとして、一部の企業ではインターナル・カーボンプライシング(Internal Carbon Pricing、以下「ICP」)を活用し始めている。ICPとは、企業が独自に企業内部で二酸化炭素(CO₂)の価格を設定することであり、企業の低炭素投資や対策を推進する仕組みである。
各企業が脱炭素に向けてどの程度貢献しているのかという点については、株主・投資家を含めたステークホルダーにとって関心事項であるが、TCFD提言を契機として、気候変動関連のリスクと機会に係る開示が始まった。そして、EU、米国及び日本において、それぞれの規制当局が気候関連の開示基準策定を進めており、いずれの開示基準においてもICPに係る開示要求事項が設けられている(三瓶(2024))。
本稿では、こうした企業を取り巻く外部環境の変化を踏まえ、昨年の調査(藤原・小原(2023))に引き続き、企業の取組みとして注目度の高い施策であるICPの動向について報告する。具体的には、2024年2月時点で日経平均株価 に採用されている企業225社(以下、対象企業) を対象に、ICP導入企業の開示内容などを調査し、国内におけるICPの導入状況、導入目的、ICPの用途、対象となるGHG排出やICP価格について説明する。

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