【Research Report】LRPを用いた深層学習株式リターン予測モデルの解釈の試み

サマリー

 近年、個別株式のリターン予測において、様々なファクターの中から予測に有効な特徴量を自動で抽出できる深層学習技術の応用研究がなされている。しかし、深層学習は計算過程が複雑で、人間にはその予測根拠の把握が難しい。そのため、意思決定に理由が求められる実務での利用において、解釈の困難さが課題とされることがある。一方、深層学習の解釈手法に関する研究も盛んに行われており、LRPと呼ばれる手法では、深層学習モデルの出力から入力へ遡ることで、各入力変数の出力値に対する貢献度が計算できる。ところが、金融分野、特に個別株式のリターン予測を行うファクターモデルにおいて、このような深層学習の解釈手法を用いて各入力ファクター値の貢献度を観察した例は少ない。そこで本稿では、個別株式の月次リターン予測をタスクとした深層学習モデルにLRP手法を適用し、入力ファクター値ごとの予測リターンに対する貢献度を分析する事で、深層学習モデルの予測根拠の解釈を試みた。その結果、個別銘柄の予測の根拠として深層学習モデルがどのようなファクターに注目しているか、マーケットの傾向としてどのようなファクター効果を予測しているかを解釈することができた。例えば、2019年6月末基準日で構築したモデルにおいて、過去1ヶ月リターンや予想ROE等の銘柄属性が予測に寄与していたことや、短期リバーサル効果やクオリティー効果を予測していたことが分かった。このような情報を提示することで、金融実務における深層学習の利便性の向上が期待されるだろう。

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