【Research Report】株主提案に対する賛否から国内機関投資家のコーポレートガバナンスに関する意識や見解を考察する(2017年7月~2018年6月株主総会)

サマリー

国内大手機関投資家が株式保有する上場企業を対象に、2017年7月~2018年6月の株主総会に提出された株主提案のうち、コーポレートガバナンスに関連する内容に関して、国内機関投資家(24社)と海外の大手年金基金であるCalPERSとCalSTRSがどのような議決権行使を行ったのかを分析した。日本の株主提案には、特定の個人やビジネスを引き合いにするようなものも含まれるが、企業にコーポレートガバナンスの改善を求めるものも提起されている。そうした株主提案に対する機関投資家の個別議決権行使結果を分析することで、経営陣への評価や問題意識、どのようなガバナンス体制を最善と考えているのかを垣間みることができると考える。
国内の機関投資家の議決権行使結果をみると、グローバルでベターもしくはベスト・プラクティスとして推奨されているコーポレートガバナンスとは異なる基準で判断しているケースもある。しかし、相応数の国内機関投資家は株主提案の内容を吟味し、対象企業の財務状況やガバナンス体制を踏まえた上で、株主提案が企業価値向上に貢献するかどうかをもとに賛否を決めていると言える。
日本では株主提案が株主総会に提出された場合、それが可決されるかどうかのみに注目が集まる傾向がある。しかし、仮に可決に至らなかった場合でも、企業は一定数の賛成が行われた株主提案については、投資家からの意思として経営を行う上で十分に考慮する必要がある。
 

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