金融庁は2018年3月23日、バーゼル銀行監督委員会による最終文書「Interest Rate Risk in the Banking Book」(2016年4月21日公表)(以下、最終文書)の国内対応に向けた「金利リスクのモニタリング手法等の見直しに係る第3の柱に関する告示及び監督指針の一部改正(案)」(2017年6月30日公表)について開示告示に関するQ&A(以下Q&A)を公表した。
今回公表されたQ&Aでは、これまで「重要性に応じて、内部モデルの使用または保守的な前提の反映により適切に考慮することを求めるものとする」とされながらも明確な考え方が示されていなかった銀行勘定の金利リスクにおける「固定金利貸出(住宅ローン)の期限前返済」の「行動オプション性の考慮」に関して、保守的な前提が例示された。
そこで本稿では、固定金利貸出および住宅ローンが銀行勘定の金利リスク計測に与える影響をみるために、地域銀行の開示情報等をもとに、固定金利貸出および住宅ローンが貸出金残高全体に占める割合と、固定金利貸出の平均残存年数の推計を行った。