【Short Review】増配や相談役・顧問制度の廃止を求める株主提案への議決権行使結果を考察

サマリー

スチュワードシップ・コードは、機関投資家が投資先の企業との建設的な対話などを通じて、企業の持続的な成長を促すことで、受益者の中長期的な投資リターンの拡大を図ることを目的に策定された諸原則である。しかし、機関投資家が企業に対して具体的にどのようなスチュワードシップ活動を行っているのかを外部から窺い知ることは難しい。
一方、2017年5月の金融庁による日本版スチュワードシップ・コードの改訂、同年6月の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)によるスチュワードシップ活動原則の制定を契機に、機関投資家では投資先である企業の個別議案毎に議決権行使結果を開示する動きが始まった。これまで機関投資家の個別議決権行使結果が公になることはなかったが、機関投資家から企業への意思表示である議決権行使結果が公開され、それを分析することで、機関投資家の問題意識や判断、スチュワードシップ活動の一端を垣間見ることができると考える。
そのような認識のもと、今回は、2017年6月に定時株主総会を開催し、大手機関投資家が保有する企業の中で、(1)増配要求、(2)相談役・顧問制度の廃止、(3)政策保有株の売却、の3つのカテゴリーの株主提案に注目した。分析した国内機関投資家は、PRI(Principles for Responsible Investment)に署名し、9月中旬までに個別企業・個別議案毎の議決権行使結果を公表した17社。各機関投資家が、それらの株主提案に対してどのような判断・意思表示を行ったかを考察した。

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