【Research Report】機関投資家のスチュワードシップ責任とESG投資~ESG投資の歴史から日本版スチュワードシップ・コードを理解する
- 2015年8月28日
社会システム研究所
- 寺山 恵
サマリー
成長戦略である日本再興戦略の具体的施策として「日本版スチュワードシップ・コード」が策定され、2014年3月に公表された。それから1年、2015年3月現在において、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など公的年金基金を含む184機関が受け入れ表明を行っている。しかし、スチュワードシップ・コードの本質的な意味が理解されているのか、全社的な合意の上での受け入れ表明なのか、という懸念もある。本稿では、我が国においてスチュワードシップ・コードの本質の理解とその実践のヒントとなるように、スチュワードシップ・コードの解説を試みる。英国スチュワードシップ・コードにおけるキーポイントをESG投資の歴史から辿り、英国スチュワードシップ・コードがESG投資をふまえたものであることを示す。さらに、内外のESG投資の現況を概観し、最後に我が国のスチュワードシップを実践する上での課題を提言する。