【Short Review】CO2排出量と収益性指標から見る地方銀行の政策保有株式の状況調査

サマリー

2020年以降の温室効果ガス排出削減等のための国際枠組みであるパリ協定の運用が開始され、世界的に脱炭素に向けた取り組みが加速している。日本国内においても東京証券取引所が2021年6月に「コーポレートガバナンス・コード」を改訂し、プライム市場の上場会社に対して、TCFD提言等に基づく「気候変動に係るリスク及び収益機会が自社の事業活動や収益等に与える影響」について開示の充実を求めるなどの取り組みが進んでいる。TCFD提言の中では温室効果ガス排出量(Scope1、2、3 )の開示が求められているが、銀行セクターは業種の特性上、Scope3のカテゴリー15「投融資」に関する温室効果ガス排出量が相当なウェイトを占める。一方で地方銀行 のScope3の開示状況を見ると、現時点では算定基準や定義等が不明瞭な点が多いなどの課題があり、カテゴリー15「投融資」の実績ベースでの開示は2022年3月期において第一地銀の4行に留まっている。しかし今後は、従来の収益性やリスク管理等に関する指針や指標に加えて、脱炭素社会に向けた取り組みやCO2排出量などの定量的な指標についても企業運営において重要視されていくことが想定される。
そこで本稿では、銀行セクターにおけるScope3排出量の特徴を知るための一つの切り口として投資先として保有している株式の発行体企業(以下、政策保有株式)のCO2排出量に関する調査を行う。また、併せて地方銀行の政策保有株式のリターンやROEとCO2排出量について確認する。
 

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