【Short Review】EU ETSを参考にした排出量取引市場の多期間分析

サマリー

 世界的にカーボンニュートラルを目指す動きが活発化している。カーボンニュートラルを達成するために温室効果ガスの排出削減に対して経済的インセンティブを与える手法は注目度が高く、例えば、経済産業省は2022年から新たな排出量取引の実証開始を目指している。排出量取引制度とは、排出許可証を意味する「排出枠」や排出削減認定証のような「クレジット」を取引することによって、排出削減を促す制度であるが、需給によって変動する炭素価格の安定化が課題になる。
 本稿では、欧州排出量取引制度(EU ETS)を参考に多期間モデルを提示し、排出枠の需給に対して様々な環境の変化が生じたときに、炭素価格がどのように変化するかシミュレーションを行う。価格変動の方向性や規模が分かれば、制度設計者は価格安定化策の必要性を検討することができ、取引参加者は価格変動リスクを低減することが可能となる。

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