【Research Report】流通市場における国内債券のクレジットスプレッドの動向

サマリー

日本国内の債券市場を振り返ると、リーマン・ショックやギリシャショック、東日本大震災、量的質的異次元緩和やマイナス金利の導入など、金融市場に大きな影響を与えるイベントを数多く経験してきた。その中で、リーマン・ショック以降の国債以外の国内一般債券の流通市場に関しては、社債において研究があるものの、政府保証債、財投機関債などそれ以外のセクターに関しての研究はあまり多くない。各種イベントと各種一般債券のクレジットスプレッド(当該債券の流通利回りから国債の流通利回りを引いた値)の推移及びスプレッドカーブの変化を確認することは、低金利環境下における国債の代替投資判断を行う上での一助となるだろう。
本稿では、リーマン・ショック以降の直近10年間の国内債券市場について、金融危機、自然災害、金融緩和政策など大きなイベントとともに、公共債セクター(政府保証債、地方債、財投機関債)と民間債セクター(金融債、電力債、一般事業債)のクレジットスプレッドの推移を振り返った。具体的には、2年、5年、10年、20年の4つの年限別のクレジットスプレッドの推移をみることで、スプレッドカーブの変化を俯瞰した。クレジットスプレッドが大きくワイドニングしたのは、リーマン・ショック、東日本大震災、マイナス金利の導入以降の3回であったが、セクター別、年限別にみたクレジットスプレッドの挙動は大きく異なった。16個のイベントを踏まえて、公共債セクター、民間債セクターの各種債券のクレジットスプレッドの推移を報告したい。
 

サービス・事例紹介

この記事に関連する当社のサービスや事例のご紹介をご希望の方は、下記よりお問い合わせください。
担当研究所・研究員からご案内をいたします。

ご意見の投稿

この記事についてご意見をお聞かせください。
今後のサイト運営や、レポートの参考とさせていただきます。

  • 戻る
  • ページ先頭へ戻る