過熱する分配金競争への一考察(2)

サマリー

本稿は、NFIリサーチ・レビュー2011年4月号の続編として、毎月分配型ファンドの分配原資の健全性、分配水準の継続性につき、そのファンドが属する投資対象グループごとに特徴がみられるのか否か、分析する。分析対象のグループとしては、毎月分配型ファンドの純資産総額のうち99%を占める「グローバル株式」、「エマージング債券」、「ハイイールド債券」、「グローバル債券その他」、「複合」、「リート」の6グループを取り上げ、ここでは、各グループに属するファンドのうち、2010年6月末時点での純資産総額上位10本の状況を調査する。
分配原資の健全性を示す「インカムゲインレシオ」でみると、「リート」グループでは20%未満(健全性が低い)のファンドが多い。一方、「ハイイールド債券」のグループでは100%以上(健全性が高い)のファンドが多くみられる。また、分配水準の継続性を示す「分配可能期間」では、「複合」グループ内では2年未満(継続性が低い)のファンドが多く、「グローバル株式」と「ハイイールド債券」のグループでは10年以上(継続性が高い)のファンドが多くみられる。特に分配可能期間が短いファンドは、その後に分配金額の引き下げを行っていることも多く、安定した分配金を求める立場からは留意が必要だろう。

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