【ResearchReport】 インデックス(指数)の隠れたリスク~拡大するインデックス(パッシブ)運用~

サマリー

 近年、米国のミューチュアル・ファンド市場は大きく成長し、2018年末における純資産総額は約15兆ドルとなり、25年前(1993年末)と比較すると、その規模は約10倍まで拡大した。とりわけ、インデックス(パッシブ)運用ファンドの規模拡大が目覚ましく、2013年以降は年1,000億ドル~2,000億ドルの純流入となっている。また、国内のオープン投信(公募追加型株式投信)も、日銀によるETF買入れなどの影響もあり、米国を上回る全体の50%程度がインデックス運用のファンドとなっている。
 このように、ファンド市場の中でインデックス運用が拡大してきた背景には、インデックス運用ファンドはベンチマークとなるインデックス(指数)の動きに連動するという運用成果の分かり易さ、管理・運用コストの低さやインデックスが対象とする市場全体の動きに応じたリターンを得られることへの安心感などが考えられる。一方、インデックス運用を行う場合、インデックスも時間の経過に伴い、対象とする国、セクター、銘柄や組み入れ割合などが大きく変化する可能性があることなどを理解する必要がある。
 そこで、本稿ではMSCIの代表的な指数である「MSCI WORLD INDEX」を例にとり、インデックスが内包する投資家にとって理解すべきリスクを説明する。
 国際投資信託協会(IIFA)によると、2019年6月末時点の規制オープンエンド投資信託の残高は51.43兆ドルに及び、その規模はさらに拡大傾向にある。そして、米国や日本をはじめ多くの国でインデックス運用を行うファンドの運用規模も拡大傾向にある。このような中、投資家はインデックスも時間の経過に伴う変化が生じる可能性があることを十分理解した上で、長期的な視点に立った資産運用を行うことが重要である。

サービス・事例紹介

この記事に関連する当社のサービスや事例のご紹介をご希望の方は、下記よりお問い合わせください。
担当研究所・研究員からご案内をいたします。

ご意見の投稿

この記事についてご意見をお聞かせください。
今後のサイト運営や、レポートの参考とさせていただきます。

  • 戻る
  • ページ先頭へ戻る