【Research Report】オープン投信レビュー 2015~オープン投信市場は拡大を続け、初めての80兆円台へ~

サマリー

2015年の各国主要市場は、日米欧の金融政策の動向に加え、中国株式市場の混乱や原油価格の下落などに大きく影響を受ける展開となった。株式市場では、年央までは概ね堅調に推移したが、8月に入ると中国人民元の切り下げをきっかけにリスクオフの動きが強まり世界同時株安となった。その後持ち直しつつあったが、12月にはECBによる追加金融緩和策への失望や原油価格の急落などを受けて下落する局面も見られた。また、為替市場では、米ドルは利上げ観測を背景に概ね堅調に推移する一方、ユーロや新興国通貨は弱含む展開となった。
こうした中、国内のオープン投信市場には「国内株式」に投資する投信を中心に多くの資金が流入した。オープン投信の動きを数値で振り返ると、2015年末の純資産総額は80.0兆円と年間で4.7兆円増加し(2014年末比約6%増)、年末ベースで2014年末の75.3兆円を超える過去最高額となった。増額の内訳は、資金フローがプラス13.2兆円と2007年に次ぐ過去2番目の純流入となった一方で、概算運用収益はマイナス8.5兆円と2011年以来4年ぶりのマイナスとなった。
オープン投信のファンド数は、2015年に602本の新規ファンドが設定された一方で224本が償還したことから、2015年末時点で5,325本となり、2014年末の4,947本から378本増加した。2015年の新規設定ファンドでは、日本株運用の銘柄選択の基準にROEを取り入れたファンドや技術革新関連企業の株式に投資するファンドなどが注目を集めた。
 

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