ESG責任投資と年金資産運用

サマリー

欧米では企業のステイクホルダー(利害関係者)のうち、環境(Environmental)・社会(Social)・企業統治(Corporate governance)(以下、ESG)に関するファクターが企業パフォーマンスに影響を及ぼす要因として認識されている。この背景には、国連環境計画・金融イニシアチブ(United Nations Environment Programme Finance Initiative、以下、UNEP-FI)の投資ワーキンググループ(2007)が、ESGファクターが投資パフォーマンスに影響する可能性のあることを学術論文と業界レポートを調査して明らかにしたことが挙げられる。そして、欧米の年金基金ではUNEP-FIの責任投資原則(Principles for Responsible Investment、以下、PRI)に署名して、受託者責任と矛盾することなく、ESGファクターを考慮した投資プロセスに移行することになった。年金資産の受託運用機関のうち、アクティブ運用機関は、一般に銘柄選択する際に、運用プロセスの中に企業の財務データ以外の定性要因を組み込んでおり、ESGファクターの考慮も行う体制が整っている。欧米の年金基金に比べて、わが国の年金基金はPRIへの対応が遅れている。投資基本方針の中でESGファクターに関する考え方を明らかにするとともに、PRIに署名することによって受託者責任を果たすべき時機に来ている。

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