社会システム研究所
兼 資産運用研究所
2014年8⽉末時点で160の機関投資家が⽇本版スチュワードシップ・コード(以下、JSC)の受け⼊れを表明した。ほとんどの機関投資家がすでに⾃らのウェブサイドでスチュワードシップ活動(投資先企業へのエンゲージメント)の基本⽅針や議決権⾏使ガイドラインなどを公表しているが、具体的なスチュワードシップ活動の実施はこれからで、その実施状況についてのステートメント、またJSCに関する公表項⽬の⾒直し・更新は来年以降になると予想される。
そこで、責任ある機関投資家としてどのようにスチュワードシップ活動を⾏うべきか検討するにあたって、導⼊されてから4年経つ英国のスチュワードシップ・コード(以下、UKSC)の実施状況が参考になると思われる。本稿では、英国投資運⽤協会(以下、IMA)が5⽉に公表した機関投資家によるエンゲージメントのケーススタディ(以下、IMAレポート)をもとに、UKSCの実施状況を紹介しながら、国内における責任投資に⽰唆を与えると思われる点を探ってみたい。