【ResearchReport】積立投資の期間と資産の選択に関する考察
サマリー
「人生100年時代」と言われる現代においては、退職後の生活資金を確保することが1つの課題となっているが、現在の金利水準を考えると、昔のように銀行預金だけで退職後の生活資金を確保することは難しく、投資の重要性が高まっている。資産形成に有効とされる積立投資は、投資優遇制度などの環境整備が進む一方で、積立投資に関する情報発信はあまり多くなく、未だに投資の知識がないがために投資をしていない人も少なくない。そこで本稿では、はじめに投資優遇税制の動向を確認した後、積立投資の特徴や資産選択のイメージをつかむために、過去のデータを見るとともに、積立投資のシミュレーションを行った。
投資優遇税制の恩恵を受けられる「確定拠出年金」、「つみたてNISA」の加入者、口座数は年々増加しており、多くの投資家が投資する資産を選択している。そのため、まだ投資をしていない人だけでなく、すでにこれらを活用している投資家も資産の選択に関する情報は有用と言える。
積立投資において、どの資産を選択すれば良いかについては、投資目的や積立期間などによって異なるものの、シミュレーションの結果からは、長期間の投資を想定するほど、株式やREITなどのリスク性資産に投資した方が優れた投資結果を期待できることや、資産を分散させることが有効であることが示唆された。