不易と流行~NFIリサーチ・レビューWEB版に寄せて~

    サマリー

    本誌「NFIリサーチ・レビュー」は今月号を持って印刷冊子形態を終了、来月からは「NFIリサーチ・レビューWEB版」として弊社のホームページに掲載することとした。

    「NFIリサーチ・レビュー」の歴史を振り返れば、それはまさに日本の企業年金の発展と軌を一にする。同誌の前身は1994年8月の「日興年金資産運用勉強会レビュー」に遡る。当時は厚生年金基金の運用規制の緩和や投資顧問業者の参入(1990年)をはじめ企業年金の資産運用の規制緩和が行われていた時代であり、1997年には5:3:3:2規制が撤廃されたほか、時価基準による資産評価も行われだした。そして、こうした規制緩和にも後押しされ企業年金は1960年代の制度創設期に続く2回目の拡張期を迎えていた。
    1986年に制度数1,134基金、加入員数727万人であった厚生年金基金も1996年にはそれぞれ1,883基金、1,210万人とピークに達している。

    「日興年金資産運用勉強会レビュー」発刊から2年後の1996年8月には本誌は名前も「年金レビュー」と変更し、今日の青を用いた表紙のデザインで発行されている。

    2000年1月には本欄「巻頭言」が「個別の制度改革から統一的な企業年金法へ」という表題で初めて掲載されている。そこでは、21世紀の課題として企業年金法の制定を促すとともに「民間研究所として、年金制度、年金運営、資産運用、海外情報など年金に関する正確かつ有用な情報を提供していきたい」という抱負が述べられている。

    2001年10月に弊社は旧(株)日興リサーチ・センターから日興フィナンシャル・インテリジェンス(株)に社名変更したが、「年金レビュー」も2007年5月に年金雑誌から企業の社会的責任(CSR),資産運用、投資工学、投資教育等を加え弊社の業務全体をカバーするものとして、「NFIリサーチ・レビュー」に衣替えした。

    このように「NFIリサーチ・レビュー」は、その時代、時代の風を受けながら変遷を重ねてき、そして来月号から「「NFIリサーチ・レビューWEB版」となる。しかし、WEB版となっても、2000年1月に第1回の「巻頭言」で述べた「民間研究所として、年金制度、年金運営、資産運用、海外情報など年金に関する正確かつ有用な情報を提供していきたい」という気持ちはいささかも変わるものではない。いや、現在では、対象とする範囲が大きく広がっている。今では、「民間調査研究機関として、企業の社会的責任(CSR)、年金、資産運用、投資工学、投資教育など金融情報全般にわたり正確かつ有用な情報を提供していきたい」というべきであろう。

    「不易と流行」は芭蕉の言葉として有名である。
    「蕉門に千歳(せんざい)不易の句、一時流行の句と云う有り。これを二つに分かって数えたまえども、その基(もと)は一つなり。不易を知らざれば基立ちがたく、流行をわきまえざれば風(ふう)新たならず」(去来抄)

    「NFIリサーチ・レビュー」は、これまで時代に不変の真理を基礎としながらも、その時々の時代により沿う形で発行して来た。
    この「不易と流行」はWEB版でも引き継がれる。

    なお、今般のWEB版への移行に伴い誰でも無料で「NFIリサーチ・レビューWEB版」にアクセスできるようにしました(http://www.nikko-research.co.jp/)。今後ともこれまでと変わらないご愛顧をよろしく御願いいたします。

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