理事長室研究レポート「物価とインフレーションのメカニズム」を公表

当社理事長室では、研究顧問の吉川 洋 東京大学名誉教授、理事長の山口 廣秀、前室長代理の阿部 將の3名の共著として、研究レポート「物価とインフレーションのメカニズム」をまとめた。本レポートでは、2020年以降の日米欧の物価動向を整理し、物価の決定とインフレーション発生のメカニズムについて、経済理論を基に跡付けている。

サマリー

世界経済は、2020年以降低インフレから本格的なインフレの時代に突入した。こうした物価上昇の背景を探るため、2020年以降の日米欧の物価動向を整理すると、いずれも国際的な資源・穀物価格といった国際商品市況の上昇が、川上、川下といった連関を通じて、消費者物価に波及している。また、賃金の変動も、生産コストの変動を通じて物価形成に影響を与えている。こうしたことを踏まえると、最近の物価の研究でみられるような、「人々のインフレ予想」が物価を決定するということではなく、物価はあくまでも一次産品の価格や賃金といった生産コストと、企業の利潤であるマークアップ率によって決まると考えられる。

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