理事長室研究レポート「イノベーションと日本経済」を公表

当社理事長室では、研究顧問の吉川 洋 東京大学名誉教授、理事長の山口 廣秀、前室長の井筒 知也の3名の共著として、研究レポート「イノベーションと日本経済」をまとめた。本レポートでは、イノベーションの形成プロセスについてケーススタディを行い、日本経済への教訓と政府の役割について指摘している。

サマリー

日本経済の低迷については、様々な要因が指摘されるが、最大の要因は、イノベーションの欠如である。イノベーションはどのような状況の下で生まれてくるのか。米欧における新型コロナワクチン及びEV(電気自動車)の開発という2つのケーススタディを通じて、イノベーションが形成されるプロセスを探った。イノベーションにとって重要なのは、プロジェクトの全体像を描く強力な「アーキテクト」の存在、「アーキテクト」を支える政府機関、大企業等の「エコシステム」の形成、グローバルな専門人材の確保などである。日本の現状は、これらの条件を満たしているとは到底言えない。日本経済が低迷状態を脱するためには、こうした状況を大きく改善し、イノベーションが溢れる環境をつくり上げていかなければならない。とくに研究開発面、資金供給面においてリスクテーカーの少ない日本の場合、「アーキテクト」としてリスクを果敢に取っていく政府のリーダーシップこそがとりわけ重要である。

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