ヘッジファンド概況(2020年11月)
サマリー
1. ヘッジファンドの資金動向
~当月の運用残高は、全戦略・全地域で増加~
当月のヘッジファンド全体の運用損益は263億ドルの運用益、純流出入額は88億ドルの純流入となり、当月末の運用残高は351億ドル増の2兆1,666億ドルであった(図表1)。 戦略別にみると、9戦略(その他を除く)のうち4戦略で純流出となったが、全戦略で運用損益がプラスとなり、運用残高は全戦略で増加した。なかでも、株式ロング・ショートは前月から186億ドル増と大きく増加した(図表2,3)。また、投資地域別でみると、運用損益と純流出入額は全地域でプラスとなり、運用残高は全地域で増加した(図表4,5)。なお、全地域で運用損益と純流出入額がともにプラスとなるのは、2020年7月以来、4ヵ月ぶりのことである。
2. ヘッジファンドのパフォーマンス概況
~当月のリターンは、全戦略でプラス~
ユーリカヘッジ・ヘッジファンド・インデックスの直近1年間の戦略別パフォーマンス概況は以下のとおりである(図表6,7,8)。(インデックスの概要は巻末Appendixを参照) 当月のユーリカヘッジ・ヘッジファンド・インデックスのリターンは+4.51%と、2ヵ月連続でプラスとなった。当月のリターンを戦略別にみると、全戦略でプラスとなった。最もプラスが大きかったのは株式ロング・ショートの+6.38%で、次いでイベント・ドリブンが+5.20%、リラティブバリューが+4.76%であった。なお、アービトラージとイベント・ドリブンは8ヵ月連続のプラスである。次に直近1年間のリターンでみると、9戦略すべてがプラスであり、最もプラスが大きかったのは株式ロング・ショートの+14.38%で、次いでアービトラージが+9.33%、リラティブバリューが+8.43%であった。また、リターン/リスク比は、アービトラージの+2.72が最大であった。