ヘッジファンド概況(2019年11月)
- 2019年12月24日
資産運用研究所
- 野澤 光希
サマリー
1. ヘッジファンドの資金動向
~運用損益は全地域でプラスとなったものの、純流出入額は全地域でマイナス~
当月のヘッジファンド全体の運用損益は60億ドルの運用益、純流出入額は37億ドルの純流出となり、当月末の運用残高は23億ドル増の2兆2,759億ドルであった(図表1)。なお、運用損益は3ヵ月連続でプラス、純流出入額は20ヵ月連続でマイナスとなっている。
戦略別にみると、当月の運用損益は9戦略(その他を除く)のうち7戦略がプラスとなったが、純流出入額は9戦略中7戦略がマイナスとなり、前月末と比べて運用残高がプラスとなったのは5戦略であった(図表2,3)。
投資地域別でみると、運用損益は全地域でプラスとなったものの、純流出入額は全地域でマイナスとなった(図表4,5)。なお、最も運用残高が増加したのは北米で、20億ドル増加した。
2. ヘッジファンドのパフォーマンス概況
~当月のリターンは9戦略のうち7戦略がプラス~
ユーリカヘッジ・ヘッジファンド・インデックスの直近1年間の戦略別パフォーマンス概況は以下のとおりである(図表6,7,8)。(インデックスの概要は巻末Appendixを参照)
当月のユーリカヘッジ・ヘッジファンド・インデックスのリターンは+0.69%となった。戦略別にみると、当月のリターンは9戦略のうち7戦略がプラスで、最もリターンが高かったのは、株式ロング・ショートの+1.12%であった。また、直近1年間では、破綻債券を除く8戦略がプラスであった。最もリターンが高かったのはマクロの+6.67%、次いで債券アービトラージの+6.27%、株式ロング・ショートの+5.67%となり、リターン/リスク比が最も高かったのは、債券アービトラージの+3.17、次いでマクロの+2.13、アービトラージの+1.63であった。