ヘッジファンド概況(2019年10月)
サマリー
1. ヘッジファンドの資金動向
~株式ロング・ショートの純流出入額は16ヵ月ぶりにプラス~
当月のヘッジファンド全体の純流出入額は1億ドルの純流入と、2018年3月以来、19ヵ月ぶりにプラスとなった。運用損益は28億ドルの運用益となり、当月末の運用残高は29億ドル増の2兆2,728億ドルであった(図表1)。
戦略別にみると、当月の純流出入額は9戦略(その他を除く)のうち4戦略が純流出であり、その中でもマルチ・ストラテジーは15ヵ月連続で純流出となっている。一方、株式ロング・ショートは4億ドルの純流入(16ヵ月ぶりのプラス)となり、運用損益は43億ドルの運用益となったことで、運用残高は48億ドル増と、9戦略の中で最も運用残高が増加した(図表2,3)。
投資地域別でみると、欧州、日本は19ヵ月連続で純流出となった。一方、北米は23億ドルの運用益、5億ドルの純流入となり、運用残高は27億ドル増加した(図表4,5)。
2. ヘッジファンドのパフォーマンス概況
~直近1年間のリターンは、破綻債券を除く8戦略がプラス~
ユーリカヘッジ・ヘッジファンド・インデックスの直近1年間の戦略別パフォーマンス概況は以下のとおりである(図表6,7,8)。(インデックスの概要は巻末Appendixを参照)
当月のユーリカヘッジ・ヘッジファンド・インデックスのリターンは+0.38%となった。戦略別にみると、当月のリターンは9戦略のうち5戦略がプラス、直近1年間では、破綻債券を除く8戦略がプラスであった。直近1年間のリターンが最も高かったのはマクロの+6.79%、次いで債券アービトラージの+5.57%、アービトラージの+4.91%となり、リターン/リスク比が最も高かったのは、債券アービトラージの+2.56、次いでマクロの+2.15、アービトラージの+1.80であった。