ヘッジファンド概況(2018年12月)
サマリー
1. ヘッジファンドの資金動向
~運用残高は1年前と比べ1,105億ドル減少~
当月は、ヘッジファンド全体で113億ドルの運用損となり、122億ドルの資金が流出した。その結果、当月末の運用残高は2兆3,362億ドルとなり、2017年12月末の2兆4,467億ドルと比べ、1,105億ドル減少している(図表1)。
戦略別にみると、当月は9戦略(その他を除く)のうち5戦略で運用損かつ純流出となった。その中で最も運用残高の減少率が高かった株式ロング・ショートは、180億ドルの運用損、35億ドルの純流出となり、運用残高は2.57%減の8,179億ドルであった(図表2,3)。一方、マクロ、リラティブバリューの両戦略はともに運用益、純流入であった。
投資地域別でみると、運用損益は中南米を除く全地域で運用損、純流出入額は全地域で純流出となり、運用残高は北米が170億ドル減など全地域で減少となった(図表4,5)。
2. ヘッジファンドのパフォーマンス概況
~2018年でリターンがプラスとなったのは9戦略中3戦略~
ユーリカヘッジ・ヘッジファンド・インデックスの直近1年間の戦略別パフォーマンス概況は以下のとおりである(図表6,7,8)。(インデックスの概要は巻末Appendixを参照)
当月のユーリカヘッジ・ヘッジファンド・インデックスのリターンは-1.53%と、5ヶ月連続でマイナスとなった。戦略別にみると、当月は9戦略中8戦略がマイナスであり、なかでも、破綻債券が-3.10%と大きなマイナスとなっている。一方、マネージドフューチャーズは+0.14%と唯一プラスとなった。また、直近1年間のリターンをみると、リターンがプラスとなったのは9戦略中、アービトラージ(+0.19%)、リラティブバリュー(+0.30%)、破綻債券(+1.95%)の3戦略のみであった。