ヘッジファンド概況(2015年10月)
- 2015年11月27日
- 資産運用研究所
研究員
- 成田 和弥
サマリー
1. ヘッジファンドの資金動向
~当月の運用残高が3カ月ぶりにプラスに転換~
当月は、ヘッジファンド全体で72億ドルの運用益が生じ、16億ドルが純流入した。その結果、当月末の運用残高は、前月末から88億ドル増加し、2兆2,367億ドルとなった(図表1)。当月は、運用損益が2015年7月以来3カ月ぶりにプラスに転じた。また、資金の純流入は9カ月連続となった。次に、ヘッジファンドが採用している戦略や投資地域別に詳しくみてみよう。
戦略別にみると、株式ロング・ショート戦略の運用益と純流入が、合わせて81億ドルと他の戦略と比較して大きく、ヘッジファンド全体の運用残高を増加させる要因となった(図表2,3)。
投資地域別にみると、全ての地域において運用益が生じた。とりわけ、北米、アジア(除く日本)の運用益が、それぞれ48億ドル、20億ドルと大きい。資金の流出入状況を見ると、北米は25億ドルの資金が純流出したものの、欧州に40億ドルの資金が純流入し、全体としては16億ドルが純流入した(図表4,5)。
2. ヘッジファンドのパフォーマンス概況
~ほぼ全ての戦略で運用が改善~
ユーリカヘッジ・ヘッジファンド・インデックスの直近1 年間の戦略別パフォーマンス概況は以下のとおりである(図表6,7,8)(インデックスの概要は巻末Appendix を参照)。
当月は、先月と正反対にマネージドフューチャーズを除く全ての戦略のリターンがプラスとなった。イベント・ドリブンと債券アービトラージの年間リターンもプラスに転じ、破綻債券のみ年間リターンがマイナスになっている。