ヘッジファンド概況(2015年7月)
- 2015年8月31日
- 資産運用研究所
アナリスト
- 鈴木 優子
サマリー
1. ヘッジファンドの資金動向
~北米地域の運用益が好調~
当月は、ヘッジファンド全体で109億ドルの運用益が生じ、17億ドルが純流入した。その結果、当月末の運用残高は、前月末から126億ドル増加し、2兆2,422億ドルとなった(図表1)。次に、ヘッジファンドが採用している戦略や投資地域別に詳しくみてみよう。
戦略別にみると、株式ロング・ショートやマネージドフューチャーズが運用損益と純流出入額がともにプラスとなり、全体の運用残高の増加に貢献した(図表2)。
投資地域別にみると、北米の運用益が最も大きく、103億ドルであった。アジア(除く日本)へは、6月末の約1.8%に相当する資金(28億ドル)が流入した(図表4)。アジア(除く日本)は、堅調に資金が流入していることもあり、運用残高は前年末から約10%増加している(他の地域は0%~5%の増加に留まっている)。
2. ヘッジファンドのパフォーマンス概況
~イベント・ドリブンが低迷~
ユーリカヘッジ・ヘッジファンド・インデックスの直近1 年間の戦略別パフォーマンス概況は以下のとおりである(図表6,7,8)。(インデックスの概要は巻末Appendix を参照)
当月は、株式ロング・ショート、イベント・ドリブン、リラティブバリュー、破綻債券は6月と同じくマイナスリターンとなった。なかでも、イベント・ドリブンのリターンは最も低く(-1.09%)、年間リターンはマイナスに転じた。他の戦略の当月のリターンはプラスとなり、前月より回復した。