1. ヘッジファンドの資金動向
~株式ロング・ショート戦略、北米の運用残高の増加が顕著~
当月は、ヘッジファンド全体で88億ドルの運用益が生じ、123億ドルが純流入した。その結果、当月末の運用残高は、前月末から211億ドル増加し、2兆1,697億ドルとなった(図表1)。次に、この動向について、ヘッジファンドが採用している戦略や投資地域別に詳しくみてみよう。
戦略別にみると(図表2)、マネージドフューチャーズ、株式ロング・ショート、債券アービトラージを中心に資金が流入した。このうち、マネージドフューチャーズは運用益は少額であったものの、最も多くの資金が流入した。株式ロング・ショートは純流入額だけでなく運用益も大きく、運用残高は前月末より92億ドル増加した。
投資地域別にみると(図表4)、中南米を除く4地域で純流入しており、中南米の流出額は少額であった。北米は運用益および純流入額ともに大きく、ヘッジファンド全体の運用残高の増加に貢献した。
2. ヘッジファンドのパフォーマンス概況
~当月はイベント・ドリブンが好調~
ユーリカヘッジ・ヘッジファンド・インデックスの直近1 年間の戦略別パフォーマンス概況は以下の通りである。(インデックスの概要は巻末Appendix を参照)
当月は全ての戦略のリターンがプラスとなり、イベント・ドリブンが最も高く2.64%となった。しかし、直近1年間では、イベント・ドリブンのリターンおよびリターン/リスク比は下位にある。
なお、この戦略別リターンに使用している指数は、単純平均で計算されているので、図表2の運用損益の符号と一致しないことがある。