ヘッジファンド概況(2022年5月)
- 2022年6月17日
- 資産運用研究所
研究員
- 鈴木 高信
サマリー
1. ヘッジファンドの資金動向
~当月の運用残高は8戦略のうち6戦略で減少~
当月取得したヘッジファンド全体の運用損益は143億ドルの運用損、純流出入額は14億ドルの純流出となり、運用残高は157億ドル減の1兆4,472億ドルであった(図表1)。
戦略別にみると、運用残高はマクロ、ファンドオブファンズを除く6戦略で減少した。運用残高の減少率が最も大きかったのは前月と同じくブロックチェーンで、運用損益は82億ドルのマイナスとなり、当月末の運用残高は81億ドル減の346億ドルであった(図表2,3)。投資地域別の運用残高をみると、欧州、日本、中南米は微増ではあるものの、残高の大きいグローバルで減少が続くなど、全体としては減少傾向が目立つ。最も運用残高の減少率が大きい「その他」(アフリカ、中東、複数の新興市場国)は、2億ドルの運用損、8億ドルの純流出となり、運用残高は10億ドル減の239億ドルであった(図表4,5)。
2. ヘッジファンドのパフォーマンス概況
~直近1年間のリターンは、8戦略のうち3戦略がプラス~
HFRI Fund Weighted Composite Index(以下、ヘッジファンド指数)及び戦略別の直近1年のパフォーマンス概況(米ドルベース)は以下の通りである(図表6,7,8,9)。(概要は巻末Appendix参照)
当月のヘッジファンド指数のリターンは-0.61%と2ヶ月連続でマイナスとなった。当月のリターンを戦略別にみると、8戦略のうち、リスクプレミアを除く7戦略がマイナスであった。最もマイナスが大きかったのはブロックチェーンで、-17.03%であった。直近1年間のリターンでは、8戦略のうちマクロ、リスクプレミア、リラティブバリューの3戦略がプラスであり、最もプラスが大きかったのはマクロ(+8.13%)となっている。
※ヘッジファンド概況(2022年1月)よりデータの出所をヘッジファンドリサーチに変更。