ヘッジファンド概況(2022年4月)
- 2022年5月19日
- 資産運用研究所 研究員
- 森田 和喜
サマリー
1. ヘッジファンドの資金動向
~当月の運用残高は8戦略のうち7戦略で減少~
当月取得したヘッジファンド全体の運用損益は170億ドルの運用損、純流出入額は24億ドルの純流出となり、運用残高は194億ドル減の1兆4,619億ドルであった(図表1)。
戦略別にみると、運用残高はマクロを除く7戦略で減少した。運用残高の減少率が最も高かったのはブロックチェーンで、運用損益は78億ドルのマイナスとなり、当月末の運用残高は80億ドル減の422億ドルであった(図表2,3)。一方、唯一運用残高が増加したマクロは、市場のトレンドやモメンタムに着目する「Systematic Diversified」の運用益が寄与したことから133億ドルの運用益となり、当月末の運用残高は132億ドル増の3,820億ドルであった。投資地域別にみると、当月の運用残高は、全地域で減少した。最も運用残高の減少率が高かった中南米は、4億ドルの運用損、1億ドルの純流出となり、運用残高は5億ドル減の56億ドルであった(図表4,5)。
2. ヘッジファンドのパフォーマンス概況
~当月のリターンは、8戦略のうち6戦略がマイナス~
HFRI Fund Weighted Composite Index(以下、ヘッジファンド指数)及び戦略別の直近1年のパフォーマンス概況(米ドルベース)は以下の通りである(図表6,7,8,9)。(概要は巻末Appendix参照)
当月のヘッジファンド指数のリターンはー1.36%となった。当月のリターンを戦略別にみると、8戦略のうち、マクロとリスクプレミアを除く6戦略がマイナスであった。最もマイナスが大きかったのはブロックチェーンで、-17.72%であった。直近1年間のリターンでは、8戦略のうち5戦略がマイナスであり、最もマイナスが大きかったのはブロックチェーン(―18.13%)で、次いでエクイティヘッジ(―5.79%)であった。
※ヘッジファンド概況(2022年1月)よりデータの出所をヘッジファンドリサーチに変更。