ヘッジファンド概況(2021年10月)
サマリー
1. ヘッジファンドの資金動向
~当月の運用残高は全地域で増加~
当月のヘッジファンド全体の運用損益は112億ドルの運用益、純流出入額は151億ドルの純流入となり、当月末の運用残高は263億ドル増の2兆4,402億ドルであった(図表1)。これは2018年9月末以来の水準であり、直近1年間は比較的安定して回復傾向が窺える。
戦略別にみると、運用損益は9戦略(その他を除く)のうち6戦略でプラス、純流出入額はマクロに31億ドル流入するなど、破綻債券を除く8戦略でプラスとなった(図表2,3)。また、投資地域別でみると、運用損益は中南米のみ3億ドルの運用損となったものの、その他の全地域ではプラスとなり、純流出入額については全地域でプラスとなったことで、全ての地域で運用残高が増加した(図表4,5)。
2. ヘッジファンドのパフォーマンス概況
~当月のリターンは、9戦略中8戦略でプラス~
ユーリカヘッジ・ヘッジファンド・インデックスの直近1年間の戦略別パフォーマンス概況は以下のとおりである(図表6,7,8)。(インデックスの概要は巻末Appendixを参照)
当月のユーリカヘッジ・ヘッジファンド・インデックスのリターンは+1.35%であった。当月のリターンを戦略別にみると、9戦略中、債券アービトラージ(-0.13%)を除いた8戦略でプラスとなっており、最もプラスが大きかったのはマネージドフューチャーズの+2.34%、次いでイベント・ドリブンの+1.95%であった。直近1年間のリターンでは、最もプラスが大きかったのは前月末時点と同様、イベント・ドリブン(+26.11%)で、次いで株式ロング・ショート(+23.71%)であった。また、リターン/リスク比は、破綻債券の+5.35が最大であった。