ヘッジファンド概況(2021年5月)
サマリー
1. ヘッジファンドの資金動向
~当月の運用残高は、前月に引き続き全地域で増加~
当月のヘッジファンド全体の運用損益は71億ドルの運用益、純流出入額は221億ドルの純流入となり、当月末の運用残高は292億ドル増の2兆3,727億ドルであった(図表1)。
戦略別にみると、運用損益は9戦略(その他を除く)のうち、債券アービトラージと破綻債券を除く7戦略でプラス、また、純流出入額はマルチ・ストラテジーが54億ドルの純流入となるなど、8戦略でプラスとなり、運用残高の増加率はマネージドフューチャーズが最も高かった(図表2,3)。また、投資地域別でみると、前月に引き続き、全地域で運用損益、純流出入額ともにプラスとなり、運用残高が増加した(図表4,5)。
2. ヘッジファンドのパフォーマンス概況
~当月のリターンは、全戦略でプラス~
ユーリカヘッジ・ヘッジファンド・インデックスの直近1年間の戦略別パフォーマンス概況は以下のとおりである(図表6,7,8)。(インデックスの概要は巻末Appendixを参照)
当月のユーリカヘッジ・ヘッジファンド・インデックスのリターンは+0.93%と、8ヵ月連続でプラスとなった。当月のリターンを戦略別にみると、前月に続き9戦略いずれもプラスであり、最もプラスが大きかったのはマネージドフューチャーズの+1.67%で、次いでマクロが+1.54%であった。直近1年間のリターンでみると、最もプラスが大きかったのは株式ロング・ショート(+33.58%)で、次いでイベント・ドリブン(+30.58%)であった。また、リターン/リスク比は、イベント・ドリブンの+5.01が最大であった。