【Short Review】2020年度下期のファンド動向
- 2021年5月26日
社会システム研究所
- 小原 萌香
サマリー
2020年度下期(10月~3月)の株式市場は、上期(4月~9月)に引き続き新型コロナウイルスの感染状況に左右され、加えて米国の大統領選挙や、コロナワクチン開発の動向にも影響を受けた。このような中、今下期の公募追加型株式投資信託(除くETF)(以下、ファンド)全体の純資産総額は、11月以降5ヶ月連続で増加し、2021年3月末時点で過去最大の74.9兆円に達した。さらに、動向を日興大分類別でみると、特に「グローバル株式 (ヘッジなし)」には2.6兆円の流入があり、純資産総額は2021年3月末時点で26.5兆円と、全体の約35%を占める。一方で、「グローバル債券 (ヘッジなし)」は下期すべての月で流出となった。
また、騰落率に着目すると、「グローバル株式 (ヘッジなし)」、「国内株式」、「リート」が好調であり、特に「リート」は上期からパフォーマンスが大幅に上昇した。一方で、「国内債券」は上期に続きマイナスとなり、「グローバル債券 (フルヘッジ)」は大きくパフォーマンスが低下した。
本稿では、月ごとの出来事と共に2020年度下期のファンド動向を詳細に振り返っていく。