過熱する分配金競争への一考察~債券型毎月分配型ファンドの分配原資の健全性と分配水準の継続性に関する分析~

サマリー

毎月分配型ファンドへの顕著な資金流入が続いている。2010年の年間では、毎月分配型ファンドに対する資金フローは、約7.4兆円の純流入であったが、非毎月分配型ファンドは約1.1兆円の純流出であった。中でも債券型毎月分配型ファンドが脚光を浴びており、純資産総額ベースで毎月分配型ファンドの66%を占めるに至っている。
債券型毎月分配型ファンドが脚光を浴びる中で、支払われる分配金とその原資との関係において、分配原資はインカムゲインに裏付けられているか(健全性)、また、現状の分配水準はどの程度継続することができるのか(継続性)について、考慮されることは少ないようである。
本稿では、国内籍追加型株式投資信託のうち、純資産総額が1,000億円以上の債券型毎月分配型ファンドを対象にして、分配原資の健全性、分配水準の継続性の評価を試みた。ここでは、分配原資の健全性の指標として「インカムゲインレシオ」、分配水準の継続性の指標として「分配可能期間」を独自に定義し、2007年6月から2010年6月までの期間におけるそれぞれの推移を調べた。
分析期間とした3年間において、分析対象の債券型毎月分配型ファンド全体で見た場合、分配原資の健全性、分配水準の継続性は、共に低下基調にあることが明らかになった。

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