海外における最小分散ポートフォリオファンドの概況

サマリー

最小分散ポートフォリオについては、Hang and Baker(1991)が論文を発表して以来、数々の実証研究が発表されている。これらによると、株式を投資対象とする最小分散ポートフォリオは、市場ポートフォリオよりリスクは低く、一方で、リターンは同水準もしくは高いという実証結果が得られている。これを参考に、国内では、年金基金を中心に最小分散ポートフォリオを実際の運用に取り入れる動きが、2000年代後半から始まっている。先行する海外では、運用残高が17億ドル(2011年2月末)を超える大型ファンドも存在している。そこで、海外における最小分散ポートフォリオを取り入れたファンドの概況を調査することにした。
簡易的な方法ではあるが、調査対象はトムソンロイターのデータベースにおいて、名称に“Minimum Variance”等のキーワードを含むファンドとし、リッパー分類別に概況を調査した。設定本数が多い分類は「株式型グローバル」、「株式型欧州」であり、後者の「株式型欧州」が全体の運用残高の過半数を占める。
また、実例として、欧州株式と日本株式を投資対象とする2つのファンドを取り上げ、運用手法とパフォーマンスの確認をした。どちらのファンドについても、設定来と直近3年間(2011年4月末)の期間において、市場ベンチマークに対してリスクは低く抑えられており、リターンは高いという状況が確認された。

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