持続可能な経済成長に向けた年金資金のESG投資~SRIから産業イノベーションを生むESG投資へ~

サマリー

本稿は、わが国の年金資産運用におけるSRI(持続可能な責任投資)2の現状を明らかにした上で、今後、非財務情報であるESG(環境・社会・ガバナンス)要因に基づく投資を年金資産運用に導入し、金融機関の役割を変革して経済成長を実現するための考え方を提示することを目的にしている。
そのため、まずはじめに、わが国の年金制度を概観し、資産運用の実態に加え、委託者と受託者の関係と問題点を明らかにする。次に、最近の年金資産運用におけるSRIの動向を示し、SRI導入を推進する方法を探る。最後に、SRIが年金資産運用に導入される過程で、ESG情報が投資家と投資対象となる企業の間で重要な役割を担うことを示すとともに、新たな経済成長を生む可能性について述べる。
ESG要因は、企業の付加価値創造に寄与することもあれば、レピュテーションリスクになることもあるので、企業は投資家を含むステークホルダーに対して積極的に情報開示することが望まれる。また、金融機関は、企業と投資家を含むステークホルダーの間でESG情報を仲介することによって、新しいビジネスチャンスを得る可能性がある。このことから、年金資金によるESG投資は、産業のイノベーションと新たな経済成長をもたらすコンセプトになると思われる。

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