J-REITのリターンの要因について~運用資産の用途、地域、規模の観点から~

サマリー

J-REIT(上場不動産投資信託)の活況が続いている。J-REITは、2013年2月末時点で東京証券取引所に39銘柄上場しており、銘柄ごとに運用資産の用途や地域(物件の所在地)が異なっている。運用資産の用途には、オフィスビル、商業施設、住宅、物流施設、ホテルなどがある。不動産の収益性は用途によって異なり、景気との関連性では、一般に、商業施設、オフィスビルは景気の影響を受けやすく、住宅は比較的景気の影響を受けにくいといわれている。
本稿では、金融商品としてのJ-REITの特徴について理解をさらに深めるために、J-REITのリターンの要因分解を行った。具体的には、個別のJ-REITを特徴づける運用資産の用途、地域に加えて銘柄の規模(投資口の時価総額)に着目し、ある時点における複数の銘柄のリターンデータに対して回帰分析を行った。
その結果、運用資産の用途別の比較から①リーマンショック以前のパフォーマンスは、「オフィス特化」が「住宅特化」などに比べて優れていたが、それ以降では、その状況が反転していること、②全期間を通じて「住宅特化」のリスクが大きかったこと、③2012年5月から2013年2月までの直近の上昇局面では、用途によるパフォーマンスの違いは、ほとんどなかったことなどが明らかになった。

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