【Research Report】日本におけるESG投資の規模

サマリー

本稿では、日本におけるESG投資の実態を明らかにすることを目的に、日興リサーチセンター(以下、当社)がUNPRI(国連責任投資原則)に署名している国内運用機関を対象に行ったアンケート調査結果の概要を紹介する。これまでは、ESG投資市場調査は個人投資家向け金融商品を対象としており、機関投資家も含めた投資実態は把握されてこなかった。調査結果から、日本のESG投資資産規模は46.0兆円と、これまで知られていた個人向け金融商品をはるかに上回る規模であることが分かった。また、ESG投資の手法(以下、ESG投資アプローチ)の中では、エンゲージメント/議決権行使が支配的であった。
運用機関におけるESG投資に関連する人員体制を調べると、議決権行使業務に最も多くの機関が人員を充てていた。また、顧客属性からは、年金基金等の機関投資家が日本のESG投資の主な担い手であることが明らかになった。
注目しているESG分野をみると、Eの環境分野では、温室効果ガス・気候変動関連等が、Sの社会分野では人的資源の有効活用等が、Gのガバナンス分野では取締役構成等が挙がった。調査回答運用機関がUNPRI以外に参加しているイニシアチブをみると、環境省の21世紀金融行動原則、金融庁による日本版スチュワードシップ・コード等があった。加えて、近年注目されている企業における女性活躍推進を評価するための指標(KPI)を調べた。具体的なKPIを採用している運用機関は少数派であったが、その中では、女性従業員比率や組織内における女性のリーダーシップに関連する管理職比率や取締役比率・人数をKPIに採用している運用機関が比較的多くみられた。
 

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